飛行機などと同様に、グライダーも航空局が交付するライセンスを取得しなければ「機長」として飛ぶことはできないのですが、
そこには他の航空機にはない、次なるエキサイティングな世界が待ち受けています。
 意外なことに、それはスピードレースなのですが、そのほかにも例えば登山家が世界の五大峰制覇を目指すが如く、グライダーの世界でもビギナーの段階からエキスパートに至るまで、
その達成目標として「滑空記章」という、各国の滑空協会が管轄する技量認定制度が設けられています。

 

この滑空記章は「国内章(A〜C章、銅章)」と「国際章(銀C〜金C章、ダイヤモンド章ほか)」に分かれ、単独飛行に出るとA章、30分以上ソアリングするとC章、
300km以上飛ぶと金C章というふうに認定レベルが上がり、それぞれバッジ(五輪のメダルのようなものです!)と認定証が発行されます。]

 


■国内章


●章の種類および受章資格

  ・A 章(場周飛行試験):単独飛行、指定地への着陸

  ・B 章(旋回飛行試験):左右360度 バンク30度の緩旋回、指定地内への着陸

  ・C 章(滑翔試験および急旋回飛行試験):30分以上の滑翔、

      左右各1080度(3旋転) バンク45度急旋回、指定地内への着陸

    ・銅 章(滑翔試験および野外着陸試験):2時間以上の滑翔、あるいは1時間以上の滑翔2回、
野外着陸を想定した指定地内への着陸、オーバーヘッドアプローチ、およびスリッピングターン

 

 

 ●手 順

    ・受 験:滑空記章試験員、あるいは公式立会人に依頼して試験を受ける。

         必要に応じて過去の飛行ログを示す。

    ・申 請:合格したら、申請書(日本滑空記章試験報告書 第記3号様式)を作成し、

        (社)日本滑空協会に送る。

    ・受 領:登録後、(社)日本滑空協会より日本滑空記章証明書(カード)が発行され、

        協会機関紙に氏名が掲載される。(ここまで無料)

    ・その他:日本滑空記章(バッジ)あるいは日本滑空記章証明書(カード)は、

        日本滑空記章証明書/日本滑空記章 交付・再交付申請書 第記4号様式)に

     必要事項を記載して(社)日本滑空協会に申請することによって交付、送付される。

     バッジの交付・再交付料は1,500円、カードは各章初回無料・再交付500円。

 

■国際章


●章の種類および課目

  ・銀C章:直線50km以上の距離飛行、1000m以上の獲得高度、5時間以上の滞空

  ・金C章:300km以上の距離飛行、3000m以上の獲得高度、5時間以上の滞空

  ・ダイヤモンド距離章:500km以上の距離飛行

  ・ダイヤモンド目的地章:300km以上の往復、あるいは三角距離飛行

  ・ダイヤモンド高度章:5000m以上の獲得高度

  ・3ダイヤモンド章:上記全てを制覇したパイロットに与えられる章

  ・距離飛行バッジ:750kmを超える距離飛行を行った場合、250kmごとに距離バッジを授与

  ・距離飛行認定証:1000kmを超える距離飛行ごとに認定証を授与

 

●手 順

  事前に(財)日本航空協会 航空スポーツ室と打合せて実施することが推奨される。

  海外で実施する場合は当事国NAC(航空協会)の指示に従って実施し、当該NACから

 (財)日本航空協会が報告を受けることによって国際章が発行される。